アカデミー賞作品賞と脚本賞を受賞した伝記映画『グリーンブック』。
主役は、アメリカ人用心棒トニー・“リップ”・バレロンガ。
粗野で無教養なイタリア系アメリカ人であるトニーを演じるのは、ヴィゴ・モーテンセン。
トニー役のモーテンセンはどんな俳優なのか?
他にはどんな作品に出演しているのか?
これらについて調べたので紹介します。
トニー・リップとはどんな人物?
映画の舞台は、人種差別がまだ合法であった1962年。
トニーは、仕事を失い、有名なピアニストドン・シャーリーの運転手の依頼を受けます。
保守的な家庭で育ったトニーは、差別的な考えを持っており、ドンの運転手を引き受けることに最初は抵抗を感じます。
しかし、彼と同行し、著名なピアニストでありながら、ドンがひどい差別的な扱いを受けるのを目にして、考えを改め始めます。
モーテンセンは、役作りのために、20kgも増量し、粗野で乱暴な中年白人男性を演じます。
トニー役のヴィゴ・モーテンセンはどんな俳優?
ヴィゴ・モーテンセンは、本名ヴィゴ・ピーター・モーテンセン・ジュニアと言い、1958年ニューヨーク州マンハッタンで生まれたアメリカ人俳優です。
大学を卒業してから、演技を学び始め、1982年に舞台でデビューを果たします。
その後、テレビドラマにも出演し、映画デビューも果たしますが、わずかに佳作に出演するに限られ、注目を集めない期間が続きました。
転機が訪れたのは、2001年から2003年にかけて三部作で公開された『ロード・オブ・ザ・リング』(原題:The Lord of the Ring)シリーズ。
この映画は、映画史に残る興行成績を上げ、王国の主アラゴルン役を演じたモーテンセンや、出演者、スタッフらの名声を挙げるのに大きく役立ちました。
モーテンセンは、依頼を受けたとき、撮影のために長期間子どもと離れて生活するのを嫌がり、出演を断ろうとしたのですが、原作小説『指輪物語』のファンである長男の説得で、翻意したそうです。
引き受けて大正解でしたね!
アラゴルン役で、エンパイア賞、サターン主演男優賞など数々の賞の男優賞を受賞しました。
『グリーンブック』でも、アカデミー賞主演男優賞へのノミネートを始め、数々の主演男優賞でノミネートされ、受賞を果たします。
ヴィゴ・モーテンセンの過去の出演作は?
ヴィゴ・モーテンセンは、他にどんな作品に登場しているのでしょうか?
代表作を紹介します。
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(原題:A History of Violence)は、2005年制作のアメリカとカナダの合作映画です。
カナダ人デヴィッド・クローネンバーグが監督を務め、ジョン・ワグナーの同名の原作を映画化したバイオレンス・サスペンス映画です。
この作品は、評論家から絶賛され、アカデミー賞脚色賞と、共演のウィリアム・ハートが助演男優賞にノミネートされます。
主役のトム・ストールは、マフィアのボスの弟であることを隠し、名前も変えて別の男として生きることを決意し、小さなダイナーのオーナーとして家族と平穏な生活を送っていました。
しかし、マフィアの手下がトムを訪れてから、生活は豹変し、トムと家族の関係は破壊されます。
トムは決着をつけるために、兄の元に向かいますが…
モーテンセンは、家族に過去を隠しながら生き、築き上げた普通の生活を壊され、過去の自分に戻って殺人を犯す主人公トムを演じ、数々の男優賞にノミネートされます。
『イースタン・プロミス』
『イースタン・プロミス』(原題:Eastern Promises)は、2007年制作のイギリスとカナダとアメリカの合作の映画です。
監督は、デヴィッド・クローネンバーグで、モーテンセンは『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続けて、クローネンバーグ監督の作品で主演を務めます。
共演はナオミ・ワッツです。
ロンドンを舞台にした、ロシアのマフィアが絡む人身売買をテーマとした映画です。
助産師アンナ(ナオミ・ワッツ)は、病院で子どもを身籠った身元不明の少女の出術に立ち会いますが、少女は出産後に息を引き取ります。
アンナは、亡くなった少女の身元を割り出そうと、手がかりを追ってロシアン・レストランに向かい、そこで、悪名高きロシアンマフィアの運転手ニコライと出会います。
この件は人身売買(イースタン・プロミス)が関わっており、アンナは、調査の過程で出会った人から手を引くよう忠告されても、調査を進めますが…
この作品は、トロント国際映画祭観客賞、サターン賞インターナショナル映画賞を受賞します。
モーテンセンは、アンナに時折優しさを見せる謎多き運転手ニコライを演じます。
作品だけでなく、モーテンセンも、ゴールデングローブ賞主演男優賞、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされます。
『ザ・ロード』
『ザ・ロード』(原題:The Road)は、2009年のアメリカで製作された、同名ベストセラー小説を原作とした映画です。
舞台は、大災害により文明が失われてから10年以上経った世界です。
空は塵に覆われて地上は寒く、動植物は次々と死んでいきます。
生き残った人間も、餓死するか、自殺するか、お互いを食い合うしか道が残されていない絶望の世界です。
それでも父と息子は、人の道を踏み外さずに生きることを選び、寒さを逃れるために南を目指して歩き続けます。
この映画は、1人を除いて、登場人物に名前が設定されていません。
クレジットでも、役割や一般名称が与えられているだけです。
モーテンセンは、「男」を演じ、「少年」としての息子とともに旅を続けます。
この演技で、モーテンセンは、ユタ映画批評家協会賞の主演男優賞に選ばれるのを始め、数々の男優賞にノミネートされます。
まとめ
・ヴィゴ・モーテンセンは、1958年マンハッタン生まれのアメリカ人俳優です。
・テレビドラマ、映画と、キャリアアップし、『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役で有名になり、評価を得ます。
・『ヒストリー・オブ・バイオレンス』、『イースタン・プロミス』、『ザ・ロード』などに出演し、これらの出演で、数々の男優賞を受賞します。
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