カモミールティーは、カモミールの花で淹れたお茶です。
カモミールティーは、人気の高いハーブティーの1つで、日本でもティーバッグの形で売られているのを良く見かけます。
そんな人気のカモミールティーですが、その元となるカモミールとはどんな植物なのでしょうか。
カモミールティーはどんな特徴や効能を持つのでしょうか。
カモミールティーの特徴と作り方は?
睡眠に効くと言われてるけど、本当なの?
これらの点を含めて紹介します。
カモミールの特徴
学名 | Matricaria chamomilla |
分類 | キク科 シカギク属 |
和名 | カミツレ |
ティーに使う部分 | 花 |
主要成分 | 精油、フラボノイド、コリン |
カモミールの植物としての特徴
カモミールは、キク科シカギク属の多年草で、ヨーロッパから西アジアにかけて自生し、成長すると、高さが60 cm~90cmほどになリます。
カモミールは、大地のりんごという意味のギリシャ語、「カマイメーロン」に由来します。
これ派、カモミールの花がリンゴの果実に似た香りを放つ特徴を持っているからです。
和名はカミツレといいますが、日常生活ではあまり耳にしません。
これは、オランダ語出の名前「カーミレ」からつけられました。
カモミールの歴史
カモミールは、4,000年以上前のバビロニアで薬草として使われていたと言われ、とても長い歴史を持ちます。
ヨーロッパでは、最も歴史の古い民間薬と考えられています。
日本には、江戸時代に、オランダやポルトガルなどから入ってきました。
その後、鳥取や岡山で栽培され始めました。
自宅で栽培することも可能です。
カモミールの有用な特徴や用途など
カモミールは、ヨーロッパやアラビアで利用され、中世までは、特にフランスなどで、薬草として用いられました。
胃を強くしたり、発汗を促し、炎症を鎮めるといった効能があると考えられており、婦人病などに良く用いられました。
ヨーロッパでは、「母の薬草」と呼ばれます。
今日では、安眠やリラックスといった作用を目的に、ハーブティーとして利用されます。
しかし、現在でも、ドイツでは、現在も治療目的での使用が認められており、カモミールが高い効能を持つことの現われです。
昔も現在もカモミールの花やそのほかの部分を料理に使うことはあまり無いようです。
食品に入れるとしても、香り付けに使われます。
カモミールと名の付く植物にローマンカモミールとジャーマンカモミールがあります。
どちらも、外見も効能も良く似ていますが、ハーブティーとして広く使われるのはジャーマンカモミールの方です。
単にカモミールティーと言う場合、ジャーマンカモミールのティーを指すのが普通です。
ちなみにローマンカモミールは、アロマテラピーに良く使われます。
ローマンカモミールティーもありますが、ジャーマンカモミールと違って苦みを持っています。
カモミールティーの作り方
カモミールティーの作り方を紹介します。
カモミールティーの材料
カモミールティーの材料は、カモミールの花の部分です。
乾燥したものでも、生のものでも構いません。
自分で栽培したカモミールを使う場合は、黄色い花芯が膨らんだものだけ、つまり花だけを摘み取って、これを使います。
生の場合は、そのままで、ドライにする場合は、ざるや目の細かい網などの上に並べて2日~3日乾燥させます。
カモミールティーの淹れ方
カモミールティーを淹れるには、1杯分150ml~180mlに対して、ドライならティースプーン1杯分が目安の分量です。
花の数で言うと、5個ほどです。
フレッシュの場合は、その3倍くらいが目安です。
お湯を注いだら、成分を抽出するのに3分ほど待ちましょう。
カモミールティーは、少し濃いめがおいしいので、好みに合わせて分量を少し増やしてみるのもおすすめです。
カモミールティーの特徴
カモミールティーの特徴を紹介します。
カモミールティーの味と香りについて
カモミールティーからは、カモミール特有の甘いリンゴの果実のような香りが立ち上ります。
口に含めば、そのふくよかな香りを感じ取れます。
口当たりは、優しく、まろやかで、ふんわりと広がるような感覚を覚えます。
味は、あまりしません。
カモミールティーは、味を楽しむというより、香りとまろやかな口当たりの感触を楽しむといった感じです。
カモミールティーは、日本でも人気が高く、味や香りにクセがないので、ハーブティーになじみがない人、強い香りや風味が苦手な人でも、楽しめます。
カモミールティーのおすすめの飲み方
カモミールティーは、シングルで楽しめます。
他には、レモンやはちみつを加えて酸味や甘みを出すのもおすすめです。
他のハーブティーとのブレンドでは、ペパーミント、レモンバーベナなどとのブレンドがおすすめです。
カモミールティーの効果・効能について
カモミールティーの効果や効能にはどのようなものがあるでしょう。
カモミールティーの主要な成分
カモミールティーの主要な成分は、精油、フラボノイド、コリンです。
精油は植物の香り成分で、カモミールの精油の主な成分は、ビサボロールオキサイド、カマズレンなどです。
フラボノイドは、植物の色素の成分です。
カモミールティーの効能
カモミールには、神経系や消化管の緊張を緩める効能を持ちます。
このため、ストレスによる不調を軽減し、ストレスによって胃腸が弱っているときに、心の落ち着きと、胃腸の不調に働きかけることができます。
カモミールティーを寝る前に飲んで良い睡眠を
カモミールティーには、フラボノイドの一種であるアピゲニンが豊富に含まれています。
アピゲニンは、抗酸化物質です。
アピゲニンは、脳の特定の受容体に結合し、不安を軽減して、睡眠を促します。
養護老人ホームの入居者60人を対象とした調査で、1日400mgのカモミールからの抽出物を投与された人は、されていない人よりも高い睡眠の質が高かったとの研究があります。
また、睡眠の質が低い産後の女性についての研究では、2週間にわたってカモミールティーを飲んだ人は、飲まなかった人よりも睡眠の質が総じて良かったとの結果が出ています。
さらに、慢性的に不眠に悩む人を対象とした研究では、カモミールの抽出物を28日間毎日270mgずつ1日2回投与された人は、されていない人よりも約15分早く眠りについたとの結果が出ています。
さらに、カモミールの抽出物を投与された人は、プラセボ群よりも夜中に目覚めにくかったという研究結果もあります。
これらの研究の結果は、ぐっすりと眠りたい人にとって、朗報でしょう。
しかし、研究は途上ですから、影響が確認されるまでは、まだ研究が必要です。
ただ、カモミールティーは、大きな副作用も報告されていませんから、飲み続けて、損はありません。
また、上で紹介した研究は、カモミールからの抽出物であることに注意してください。
カモミールティーでは、カモミールの成分は、抽出物よりは落ちます。
しかし、実験によれば、言い伝えなどではなく、眠りの質を良くする何らかの効果がありそうだということが言えそうです。
ですから、毎晩、試してみるのは良いことだと言えます。
ノンカフェインですから、寝る前に安心して飲めることも利点です。
ただし、ハーブティーは薬ではないので、飲めばすぐに眠れるというような即効性を期待してはいけません。
まとめ
・カモミールは、甘いリンゴのような香りがします。
・カモミールティーは、リラックスしたいときや夜寝る前に飲むのがおすすめです。
・カモミールティーは、胃腸の調子を整えたいときにもおすすめです。
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