ダンディライオンティーは、ダンディライオンの葉または根から淹れたハーブティーです。
ダンディライオンとは、和名をセイヨウタンポポと言います。
春先に道端で咲いているあの鮮やかな黄色い花を咲かせるタンポポの一種です。
実はタンポポは栄養価が高いって知っていましたか?
そんなセイヨウタンポポ、ダンディライオンと、ダンディライオンで淹れたダンディライオンティー。
特徴と作り方は?
効果や効能は?
これらの点について紹介します。
ダンディライオンの特徴
学名 | Taraxacum officinale |
分類 | キク科 タンポポ属 |
和名 | セイヨウタンポポ |
ティーに使う部分 | 葉、根 |
主要成分 | トリテルペン、フラボノイド、フェノール酸、苦味質、ビタミン類、クマリン、カテロイド、ミネラル |
ダンディライオンの植物としての特徴
ダンディライオンは、キク科タンポポ属の多年草で、見た目は、日本固有のタンポポと良く似ています。
背丈も似ており、見た目で、違っているのは、花びらの付け根にある総苞という箇所だけです。
総苞は、総苞片という花びらのように薄い層が中心から外側に向かって何重にも並んでいる部分なのですが、日本のタンポポでは、この総苞片が花のつぼみのように閉じています。
西洋タンポポでは、花が咲いた状態のように、総苞が開いて、総苞片が反り返っています。
ヨーロッパが原産地で、北アメリカ、南アメリカ、南アフリカ、オーストラリア、インド、日本などに、持ち込まれました。
ダンディライオンの歴史
ヨーロッパや中東などでは、伝統的に、食用として利用されてきました。食べると多少の苦味がありますが、サラダなどに使われます。
また、様々な医薬品として高く評価されてきました。
私たちの体に有用な成分を多く含むからです。
ヨーロッパ、中国などでは、治療のために、薬草として使用されてきました。
日本では、20世紀の初頭にその存在が確認されました。
ダンディライオンの有用な特徴や用途など
ダンディライオンは、とても栄養価が高く、栄養の補給源として食べられます。
βカロチン、ビタミンC、鉄分、カリウム、カルシウムなど、その種類や量は野菜と変わりません。
茎や葉や花の部分が、葉物野菜と同様にして生で食べることができますし、茹でて食べたり、スープの具に使うこともできます。
苦味成分を含んでおり、これが食欲を増進させるという効能も持っています。
ダンディライオンとは、その見た目から「ライオンの葉」を意味するフランス語が語源です。
しかし、フランス語では、別名「尿が近くなる」と別名もあります。
このことから分かるように、利尿効果があるハーブとされています。
欧米では、多様な効果から「自然の薬局」と呼ばれるほどです。
インドの伝統医学アーユルヴェーダやイスラム文化圏の伝統医学ユナニ医学では、肝臓や胆のうの不調やリウマチを改善するのに用いられてきました。
北米のネイティブアメリカンによっても、腎臓病や、皮膚病の治療に使用されてきました。
イギリスやアメリカでは、花の部分でワインを作ります。
セイヨウタンポポは、ニホンタンポポとそれほど変わらず、日本でも、タンポポの根は「蒲公英根」と呼ばれ、漢方の材料として使用されます。
日本の野生のタンポポも、セイヨウタンポポと同様に、生で食べたり、おひたし、スープ、てんぷらとして食べることが可能です。
ただし、公園に咲いているものなどは、除草剤などをかぶっている可能性が有るので、食べるときは注意しましょう。
ダンディライオンティーの作り方
ダンディライオンティーの作り方を紹介します。
ダンディライオンティーの材料
ダンディライオンティーには、葉または根が材料として使用されます。
葉または根の場合、いずれも乾燥したものが使用されます。
ダンディライオンのハーブを購入する場合、葉の部分なのか根の部分なのかを注意しましょう。
根の部分をダンディライオンルートと、葉の部分をダンディライオンリーフと区別して呼ぶこともあります。
しかし、一般には、根の部分を単にダンディライオンと呼び、葉の部分をダンディライオンリーフと呼ぶことが多いようです。
根よりも葉のほうが有効な成分は豊富です。
有効成分による効能を期待してダンディライオンティーを飲む場合は、葉の方を使いましょう。
根の方は、焙煎して使って、風味を楽しみたい場合に適しています。
栽培しているセイヨウタンポポからティーの材料を作るには、セイヨウタンポポの葉または根を採取したら、それをブラシなどで丁寧に洗います。
洗い終えたら1cm程度の大きさに切って、ざるや目の細かい網などの上に広げて、天日で1週間ほど干せば、出来上がりです。
天日干しの代わりに電子レンジで乾燥させることもできます。
ダンディライオンティーの淹れ方
ダンディライオンティーを淹れるには、1杯分の150ml~180mlのお湯に対して、ティースプーン1杯分が目安の分量です。抽出時間は5分ほどです。
ダンディライオンティーの特徴
ダンディライオンティーの特徴を紹介します。
ダンディライオンティーの味と香りについて
ダンディライオンティーは、いぐさのような落ち着いた草の香りがします。
香りは少し土臭くい感じもありますが、程よく甘い香りもします。
味については、コーヒーの様な風味と少しの苦味とまろやかな甘みが特徴です。
飲みやすく、味わいは深い、飲み口です。
根を焙煎した場合、コーヒーのような香りを楽しめます。
味についても、クロロゲン酸を含み、苦味もあり、コーヒーに似た味がします。
しかし、完全にコーヒーの代わりになるかと言うと、さすがに、そうは行かず、期待のし過ぎは禁物です。
コーヒーの代用に飲む場合は、コーヒーそのもののような香りや味を期待せずに、薄いコーヒー、またはコーヒーの風味を備えたお茶と思って飲めば期待を裏切られません。
ダンディライオンの根にカフェインは含まれていないので、コーヒーは飲みたいけど、カフェインを避け対と言う場合に、カフェインを避けることを優先させるのであれば、十分にコーヒー風味の飲み物として楽しめます。
ダンディライオンティーのおすすめの飲み方
ダンディライオンティーは、味や風味を犠牲にして効能のみを得るためのハーブティーではなく、風味を楽しめます。
ですから、シングルで飲むのがおすすめです。
しかし、わずかな苦味があることや、逆に効能を期待したいけれど、風味が苦手というひともいると思います。
そういう場合は、はちみつや黒蜜などを加えると、飲みやすくなります。
他のハーブとのブレンドもおすすめです。
ペパーミントとブレンドすれば、スッキリとした香りや風味が足されて、とても飲みやすくなります。
ネトルとブレンドするのも良いでしょう。ネトルは、ダンディライオンと同じく、デトックスの効能を持ちます。これを加えることで、効能が高まります。
カモミールとのブレンドも相性が良いです。カモミールのフルーティーな香りが、ダンディライオンのほのかな苦味とマッチして、まろやかな味わいの飲みやすい飲みものになります。
ダンディライオンティーの効果・効能について
ダンディライオンティーの効果や効能にはどのようなものがあるでしょう。
ダンディライオンティーの主要な成分
ダンディライオンティーの主要な成分は、トリテルペン、フラボノイド、フェノール酸、苦味質、ビタミン類、クマリン、カロテノイド、ミネラルなどです。
トリテルペンは、ほとんどの植物に存在し、抗炎症作用を持つことが報告されています。
フラボノイド、カロテノイドは、植物の色の成分の総称で、中には、私たちの体に有用な種類のものがあります。
ビタミン類としては、ビタミンA、C、Kが含まれています。
クマリンは芳香成分です。
ミネラルとしては、カルシウム、カリウム、鉄、マンガンなどが含まれます。
ダンディライオンは、根と葉とで、栄養成分の含有量が異なります。
葉の方が、より多くの有効成分を含んでいますから、成分を多く摂ることをお望みの場合は、葉から淹れたティーを飲むようにしましょう。
ダンディライオンティーには、カフェインは含まれていませんから、妊娠中なども安心して飲むことができます。
ダンディライオンティーの効能
ダンディライオンティーは、利用作用が高いので、むくみなどに有効です。
排尿で失われるカリウムが豊富ですから、カリウム不足を同時に避けることもできます。
ダンディライオンティーは、高いデトックス作用が、効能として期待できます。
また、肝臓の機能を強化して、老廃物を浄化し、利尿作用によって不要物の対外への排出を促します。
穏かな下剤として、排便も促すので、便秘気味の人にもおすすめです。
根を焙煎して挽いて作れば、ノンカフェインでコーヒーに似た香りや味を楽しめるので、カフェインを避けたい人や、寝る前にコーヒーを楽しみたい人にもおすすめです。
まとめ
・ダンディライオンは西洋タンポポのことで、高い栄養価を持ちます。
・ダンディライオンティーは葉からも根からも作ることができます。
・ダンディライオンティーはデトックス効果や利尿効果を持ちます。
・焙煎した根を挽いて淹れるとコーヒーのような風味と味の飲み物ができます。
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