ミガスという料理を知っているでしょうか?
ミガスは、スペインの伝統的な郷土料理です。
日本ではほとんど知られていません。
しかし、東京では、スペイン料理のレストランや、スペインに居酒屋であるバルをあちこちで見かけます。
そんな人気が高まりつつあるスペインの料理であるミガス。
ミガスの料理の名前の意味は?
メキシコやアメリカにもあるミガスと言う料理の違いは?
これらの点について紹介します。
ミガスの料理の名前の意味は?
ミガスはスペイン語やポルトガル語で「パンくず」意味します。
もともとは残ったパンを使ったスペインの料理で、もともとは朝食で食されていました。
今日では、レストランで昼食や夕食に、前菜として提供されます。
ミガスは、スペイン西部から中部にかけて見られ、地域によって様々な材料が使用されます。
残りものの乾いたパンを水に浸して戻したものを、ニンニク、パプリカ、ホウレンソウ、アルファルファを、オリーブオイルで炒めた料理です。
ミガスは、直火や炭火で調理されることが多いです。
カリっと香ばしくなるまで炒めて出来上がります。
作り方は簡単なのですが、長時間炒める必要があるため、作るには根気が必要です。
今日では、家で作ることは多くないようで、食べたいときはレストランに行きます。
ご飯を具材と炒めた料理がチャーハンで、似たように、パンで作った炒め料理として考えると、ミガスをイメージしやすいです。
味付けは、塩と胡椒程度ですので、味はシンプルです。
地域によって他の具材が加えられ、地域による独自のミガスが発達しています。
アラゴン州テルエルでは、ミガス・デ・テルエルと呼ばれ、チョリソとベーコンが加えられ、ブドウと共に供されます。
アンダルシア州のアルメリアには、パンを使わずに、セモリナという種類の小麦粉で作るミガス・デ・アリナ(粉のミガス)があります。
これは、ニンニク、青唐辛子、ベーコンを炒めたオリーブオイルで小麦粉を炒め、水を加えてそぼろ状になるまでかき混ぜて作ります。
炒めたニンニク、青唐辛子、ベーコン、イワシの塩焼き、ラディッシュ、オリーブなどが添えられます。
スペインの東部では、地中海沿岸のミガス・コン・チョコラテ(チョコレート付きミガス)と呼ばれる甘い味のミガスもあります。
これは、チョコレートや、ココアパウダーを加えて作られ、朝食やスナックとして食されます。
ミガスはスペインとアメリカで違う?
アメリカのテキサスにもミガスという料理があります。
アメリカのミガスは、スペインのミガスと違って、肉無しのミガスと肉入りのミガスがあります。
肉無しのミガスは、溶き卵に、トウモロコシのトルティーヤの細切れ、みじん切りにしたタマネギ、薄切りの唐辛子、みじん切りのトマト、チーズを、色々な香辛料やサルサなどの調味料で味付けして油で炒めて作ります。
アメリカのミガスは、スペインでのパンに代えてトルティーヤが使われることと、スペインのミガスより具が多いことが特徴です。
肉入りのミガスは、辛いチョリソが加わります。
ミガスのメキシコとアメリカでの違いは味?
スペインのお隣のポルトガル、スペイン語圏の国々にもミガスと呼ばれる料理がありますが、スペインのミガスと少しずつ異なります。
その中でもメキシコのミガスは、どんなものなのでしょうか?
メキシコのミガスは、アメリカのミガスと同じく、パンではなくトルティーヤが使われます。
カリカリになるまで油で炒めたトルティーヤを混ぜた鶏卵のスクランブルエッグのような食べ物です。
他にも、刻んだタマネギ、トマト、トウガラシ、チーズなどもよく加えられます。
メキシコでは鶏卵が安く手に入ることと、トルティーヤを毎日過程で購入する習慣があることから、生まれた料理です。
前日に食べ切れずに残ったトルティーヤが固くなり、味も落ちるので、油で炒めて、鶏卵などの具と混ぜることで、おいしく生まれ変わるのです。
食材を有効活用する知恵から生まれた料理ですね。
このようなメキシコのミガスは、本場スペインのミガスと全く別物といっても良い料理です。
当然、味も全く異なります。
まとめ
・ミガスは、スペイン語で「パンくず」を意味する料理です。
・ミガスは、残りものの乾いたパンを水に浸して戻したものを、ニンニク、パプリカ、ホウレンソウ、アルファルファを、オリーブオイルで炒めた料理です。
・アメリカのテキサス州にもミガスと呼ばれる料理があり、スペインのミガスと違ってパンの代わりにトルティーヤが使われ、具も豊富です。
・メキシコのミガスもトルティーヤが使われ、カリカリになるまで揚げたトルティーヤを加えたスクランブルエッグです。
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